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行方不明・毒殺・病死・事故死・冤罪工作
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植物毒は、どこに働くかで分類すると6つに分類できる。

刺激毒
 皮膚や粘膜などを刺激し、炎症を起こす。ウルシ、イチョウなど。
麻酔毒
 神経系に異常を起こす。ケシ、コカノキなど。
刺激麻酔毒
 刺激毒と麻酔毒の中間の特性を持つ。トリカブト、バイケイソウなど。
心臓毒
 心臓にダメージを与える。キョウチクトウ、フクジュソウなど。
血液毒
 赤血球の膜を破り、ヘモグロビンを漏出させる。シクラメン、トチノキなど。
痙攣毒
 中枢あるいは末梢神経に働いて呼吸麻痺などを起こす。ドクゼリ、シキミなど。
 また、毒の成分で8つに分類できる。

アルカロイド
植物中に存在するアルカリ性を呈する窒素含有化合物。致死量は0.003~0.004g。モルヒネやアトロピンなどの真性アルカロイド、メスカリンやエフェドリンなどのプロトアルカロイド、アコニチンやソラニジンなどのプソイドアルカロイドがある。

配糖体
糖の水酸基が炭化水素やアルコールなどの非糖質化合物と結合してできる化合物の総称。有毒なものとしては、キョウチクトウなどの心臓毒、ウメやアンズなどの青酸生成配糖体、アセビやネジキなどの麻酔昏睡がある。青酸生成配糖体の致死量は0.1g。
サポニン
配糖体の一種。水に溶けると泡立ち、分解しにくい特徴を持つ。去痰作用や溶血作用を持ち、血球破壊や皮膚炎症などを起こす。キキョウやエゴノキなどが該当する。
苦味質
苦味を持った物質の総称。成分的にはテルペン類やステロイドなどの配糖体であり、ドクゼリやドクウツギなどが該当する。
樹脂
植物性の分泌物で、不定形または結晶しにくい酸、もしくはエステルおよびアルコールなどの混合物。水には溶けにくいが、有機溶媒には溶けやすい性質を持つ。ウルシやハゼノキなどが該当する。
油脂
植物精油とも言い、香気または臭気が強い。水には溶けにくいが、水蒸気蒸留は可能。モノテルペン、スキテルペン、フェノール性化合物などが多く含まれる。トウゴマやクスノキなどが該当する。
植物性毒素
タンパク毒素や毒タンパクとも言い、ペプチド活性を持った一種の低分子タンパク毒素。トウゴマやニセアカシヤなどが該当する。
シュウ酸
カリウム塩またはカルシウム塩で存在する酸性物質。エタン二酸とも。シュウカイドウやカタバミなどが該当する。

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トリカブト
トリカブト属の植物にはアコニチンが含有され、多くは塊根の部分に含まれる。アルカリ溶液に浸したり熱を加え、弱毒化して乾燥したものはブシまたはウズと呼ばれ生薬として用いられる。
園芸店で売られているのは毒性の弱いハナトリカブト(アコニタム)であり、本州の山林に生息するヤマトリカブトの採取が推奨される。

富士山のふじあざみライン沿いの三合目から五号目や、筑波山、三浦半島に多く自生している。
ただし、自生地によっては毒性の低いヤマトリカブトも存在する。毒性の高い根をかじると、ピリッという金属的な味がし、唾液が苦みに侵され、半日以上舌の先が熱くなるという。
しかし、料理として提供された事件や誤食事件では、混入に気づかずに死亡している。
 
アコニチンはシナプスのナトリウムチャネルに結合し、ナトリウムが流入しやすくして、ナトリウムチャネルを常に活性化させる。摂取すると、10~20分で口唇や四肢の痺れ、悪心、嘔吐、下痢、めまいを起こし、激しい唾液分泌や意識消失、全身痙攣、呼吸麻痺などを経て、2時間後に循環不全や呼吸不全で死亡する。有効な解毒剤はない。アコニチンの致死量は3~4mgで、塊根の推定最小致死量は1g。

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ジキタリス
ジキタリスは釣鐘状の花をつける多年草で、強心剤として古くから用いられている。ガーデニング用として苗や種が売られており、容易に入手できる。
 
ジキタリスの成分であるジキトキシン、ギトキシンは胃腸から急速に吸収され、尿で排出されるまでに20日以上かかるため、体に蓄積されやすい。多量に摂取すると、悪心、頭痛、嘔吐、下痢などを起こし、視覚障害、錯乱、不整脈、中枢神経麻痺、心室細動などを起こして死に至る。

葉に多く含まれ、致死量は体重1kgに対して5mgと言われている。配糖体によって青汁よりも苦みが強く、誤って食べても多くは吐き出されているとされる。

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ドクニンジン
ドクニンジンは、若葉がニンジンやパセリに、生育するとセロリに似ているセリ科の二年草である。
園芸植物ではないため、草原から採取する必要がある。哲学者であるソクラテスが、ドクニンジンの毒杯を飲まされ処刑されたことで有名。
 
ドクニンジンの毒は、意識がはっきりしたまま肉体だけが硬直する。
毒の成分は、コニイン、ガンマコニセインであり、悪心、嘔吐、口の渇き、めまい、骨格筋の麻痺、痙攣、体温低下、聴覚障害、瞳孔拡大などを引き起こす。

そして、手足の末端から痺れ始め、筋肉が硬直する。
やがて、横隔膜の筋肉が麻痺し、呼吸困難によって窒息により死に至る。毒性は天候に大きく左右され、夏の晴れた蒸し暑い日は、曇りの日よりも2倍の毒性を持つ。

また、乾燥させたり搾った汁は、時間が経過するにつれて毒性が低下する。コニインの致死量は500mgと言われ、コップ1杯の搾り汁程度に相当する。

OIP

ヒガンバナ
ヒガンバナは6片の反りかえった赤い花びらが特徴の多年草で、北海道を除く日本全域に自生する。ガーデニング用として、リコリスという名前で様々な色のものが売られている。鎮痛、降圧、去痰、赤痢治療、解熱の製材原料として用いられる。

ヒガンバナの毒の成分はリコリンであり、主に球根に含まれる。嘔吐、悪心、下痢、脱水ショック、呼吸不全、痙攣、中枢麻痺などを引き起こし、死に至らしめる。致死量は、10gくらいとされる。歴史上、トリカブトと並んで毒殺や暗殺に用いられていた。

ヒガンバナの毒の成分は水溶性であるため、水にさらし毒を流出させて食用にする地域がある。加熱では毒性は変化しない。

アオツヅラフジ
アオツヅラフジは、白粉をおびた球状の黒青い果実をつける、北海道を除く日本全域に自生するツル性の落葉低木である。園芸植物ではないため、日当たりのいい道ばたや藪の中から採取する必要がある。ツルや根を輪切りにして乾燥させたものは、木坊巳という腎臓病の薬として利用され、解熱、血圧降下、骨格筋麻痺などの作用も持つとされる。
 
アオツヅラフジの毒の成分はトリロビンなどであり、草全体に含まれる。多量に摂取すると、呼吸中枢や心臓が麻痺する恐れがある。ヤマブドウやエビヅルの実と間違え、誤食するケースが多々ある。

イヌサフラン
イヌサフランは、土が無くても水だけで花を咲かせることが可能な、球根を持つ多年草で、ヨーロッパや北アフリカの湿地に自生する。ガーデニング用として、コルチカムという名前で販売されている。
中枢神経を麻痺させるため、痛風に対する鎮静薬として使用された。似た名前と特性を持つサフランという花は、毒性がない。
 
イヌサフランの毒の成分はコルヒチンであり、主に球根に含まれる。
致死量は1~6mgであり、球根10gに相当する。コルヒチンは刺激性、細胞分裂防止性を持ち、コレラに似た症状が現れ心臓血管性虚脱で36時間以内に死亡する。

細胞分裂の阻害場所によって様々な中毒症状を呈し、消化器官なら下痢、嘔吐、腹痛を引き起こし、肝障害による循環器不全によって死亡する。脊髄細胞なら白血球や血小板が減少し、鼻血や歯肉からの出血、血尿を引き起こし、出血によって死に至るケースがある。

呼吸不全で死亡するケースもある。コルヒチンの反応が出るまでに12~48時間かかるため、気づいたときには手遅れになっているケースが多くある。

キケマン
キケマンは、ニンジンに似た葉を持ち、黄色で唇型の小さな花を多数咲かせる、関東以西の低地や海岸近くに自生するケシ科の植物。ムラサキキケマン、ツルキケマン、ミヤマキケマンなども同様の特徴を持ち、有毒である。

園芸植物ではないため採取する必要がある。
種類によって、分布や生息地が異なる。20~50cm以上と、大株に育つ。
 
キケマンの毒の成分はビククリン、プロトピンであり、根が強い毒性を持つ。
口にすると、酒に酔ったような感じになった後、眠気、吐き気、黒目が小さくなる、脈が遅くなるなどの中毒症状を引き起こす。

ビククリンは激しい痙攣を引き起こす作用を持つため、深い眠りと体温低下の後、呼吸や心臓の麻痺が起きる。キケマンの毒は水に溶けやすい性質を持つ。葉や茎を折ると特有の嫌な臭いがするため、誤食は少ないとされる。

シキミ
シキミは、長楕円形の葉が互い違いに茂り、淡黄白色の花を咲かせる、関東以西に自生する3~5mの樹木。オオカミや野犬が埋葬された死体を掘り起こさないように植え、線香のような臭いで死体の臭いを消したという経緯から、仏壇や墓場に供えたり、葬式の花として用いられる。

宗派によってはシャシャキが用いられるが、こちらは無毒である。園芸店やスーパーで切り花として販売されている。

シキミの毒の成分は、シキミン、イリシン、アニサチンであり、主に実が強い毒性を持ち「毒物及び劇物取締法」で指定されている。60~120粒の種子で中毒症状を引き起こすと言われているが、果皮の方が毒性が高い。

アニサチンは神経毒で、口にすると、1~6時間の潜伏期の後、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、ふらつきなどの神経症状を引き起こす。重症になると、全身痙攣、呼吸麻痺、意識障害が起こり死に至る。

クロバナロウバイ
クロバナロウバイは、葉の裏に軟毛を生やし暗紅紫色の花を咲かせ、イチゴに似た芳香を発する、日本に自生していない落葉低木。ガーデニング用として、切り花や木を入手できる。
 
クロバナロウバイの毒の成分は、カリカンチンであり、種子に含まれる。脳幹や脊髄の運動神経細胞にだけ作用するため、意識がはっきりした状態で、体を弓なりにして強直性の激しい痙攣などを起こして死に至ることになる。その中毒症状はストリキニーネに似ている。

ストロファンツス
ストロファンツスは、花弁の先端がひも状に垂れ下がった白や黄色の花を咲かせる、日本に自生していないツル性低木。日本では薬用植物園の展示くらいでしか生育させていない。

原産地は熱帯アフリカだが、そこから採取するのは現実的ではない。
先住民が矢毒として用いていたほか、強心剤の製剤として現在でも用いられている。
 
ストロファンツスの毒の成分は、ストロファンチン、ウワバインであり、種子に含まれる。強力な心臓毒を有し、サイやゾウが数秒で死に至る。ただし、血管から摂取した場合のみ中毒症状を引き起こし、経口で摂取した場合は無毒である。

キョウチクトウ
キョウチクトウは、竹のような葉を持ち、花弁が無造作に重なった白やピンクの花を咲かせる常緑低木。日本では、公害や乾燥に強いことから、高速道路沿いや公園の生け垣に用いられる。造園関係の店で苗木を入手できる。葉は強心剤や利尿剤の作用がある。
 
キョウチクトウの毒の成分は、オレアンドリン、アディネリン、ギトキシゲン、ジギトキシゲンであり、主に葉が強い有毒成分を含む。口にすると、下痢、嘔吐、めまい、腹痛、冷や汗を生じ、やがて脈拍が乱れ、心臓麻痺を起こして死に至る。

致死量は体重1kgに対して0.30mgと言われ、過去に96歳の女性が4gのキョウチクトウを食べて自殺した例や、キョウチクトウを箸の代わりに使って中毒死した例がある。燃やした煙にも有毒成分が含まれるとされる。

ドクウツギ
ドクウツギは、中が空洞の四角い断面の小枝を持ち、ブドウのような黒紫色の房状の実をつける、元来から日本に自生する落葉低木。園芸植物ではないため採取する必要がある。近畿以北の、河原、山地、丘陵地の斜面、崩壊地に生える。
 
ドクウツギの毒の成分は、コリアミルチン、ツチンであり、主に実に含まれる。口にすると、30分ほど経過してから、悪心、吐き気、嘔吐、舌や口の痺れ、発汗、口唇紫変、瞳孔縮小などを生じ、強直性全身痙攣を起こして死に至る。

コリアミルチンの致死量は体重1kgに対して0.5mgとされ、葉24gが相当する。ドクウツギの実は甘く、誤って果実酒にするケースがあるが、コリアミルチンはアルコールに溶けやすいため危険。

オモト
オモトは、節から厚い光沢のある葉を叢生させ、緑白色の密集した花と赤く熟した実をつける、室町時代から栽培されているユリ科の観葉植物。園芸店で鉢植えを入手できる。東海地方以西の山林や樹下に自生しているので、採取することもできる。根茎を乾燥させたものは万年青と呼ばれ、強心剤や利尿剤の漢方薬として用いられる。
 
オモトの毒の成分は、ロデイン、ロデキシンであり、主に根茎に猛毒のロデインが、葉にロデキシンが含まれる。口にすると、悪心、嘔吐、頭痛、不整脈、血圧低下を引き起こし、やがて全身痙攣、運動麻痺、呼吸異常などによって死に至る。46歳の女性が、根茎をすり下ろして盃1杯ほど飲んで中毒死したケースがある。

ゲルセミウム・エレガンス
ゲルセミウム・エレガンスは、ユリのような鮮黄色の花を咲かせる、日本に自生していないツル性低木。ガーデニング用として扱われておらず、インドから中国南部にしか自生していないので、国内での入手はできない。ただし、奈良時代には冶葛という名前で漢方として保管されており、人を殺せる能力を持つことが判明していた。
 ゲルセミウム・エレガンスの毒の成分は、コウミン、ゲルセミシンであり、植物全体に含まれている。この神経毒はトリカブトより強力とされ、地球上で最強の植物毒と言われている。

口にすると、めまい、瞳孔散大、悪心、嘔吐、呼吸麻痺を引き起こして死に至る。ゲルセミシンの致死量は体重1kgに対して0.05mgであり、葉っぱ3枚とコップ1杯の水で死ぬと言われている。皮下注射でも経口投与でも効果は同じ。

ドクゼリ
ドクゼリは、セリに似た葉を持つ、セリ科の多年草。
セリより大きく育つほか、根茎が丸くふくれ、タケノコのように節を持つ点がセリと異なる。四国と沖縄を除く全土の、小川や沼沢などの湿地帯に自生しているので採取するか、冬季に園芸店で稀に売られている延命竹や万年竹という名前のものを購入する。
 
ドクゼリの毒の成分は、シクトキシンであり、植物全体に含まれるが、特に地下茎や根の毒性が高い。中枢神経の延髄や中脳を刺激する神経毒である。季節によって毒の量に違いがあり、早春と晩秋に毒性が強くなる。

口にすると、1時間半~2時間後にひどい灼熱感、嘔吐、めまい、腹痛、痙攣、瞳孔散大などを引き起こし、強直性全身痙攣や心臓停止で死に至る。シクトキシンの致死量は50mg、ドクゼリの量で6gに相当すると言われている。

根茎を2個誤食し、1時間以上痙攣を起こし、心臓が停止して死亡したケースや、根で作った汁を皮膚に塗って死亡したケースがある。若葉をセリと間違えたり、根茎をワサビと間違えて誤食することが多い。

オキナグサ
オキナグサは、花弁が白毛で覆われた釣鐘状で暗赤紫色の花を咲かせ、タンポポの綿毛のような種子を作る、キンポウゲ科の日本を代表する山野草の一つ。園芸植物として人気があり、園芸店で入手できる。本州、 四国、九州の比較的低い日当たりのいい山地の草原に自生しているので、採取も可能。

開花期につぼみを摘み取ることで、根を太く育てることができる。根を乾燥させたものを白頭翁と呼び、抗アメーバ原虫作用を始め様々な効果を持つ漢方薬として用いられる。
 
オキナグサの毒の成分は、プロトアネモニン、ヘデラゲニンであり、植物全体にプロトアネモニンが、根にヘデラゲニンが含まれる。刺激作用は開花時期が最も強いと言われている。口にすると、腹痛、嘔吐、下痢、流涎などを引き起こし、やがて胃腸炎や心臓停止によって死に至る。

口に入れると焼けるような痛みを感じるため、誤食の可能性は低いが、乾燥させると刺激作用は軽減すると言われている。プロトアネモニンは肌に付いただけでも水疱などの皮膚炎を起こすことがある。

ヨウシュヤマゴボウ
ヨウシュヤマゴボウは、茎が太く紅紫色で、ブドウのような果実を垂れ下げる、北アメリカ原産の外来植物。園芸植物ではないため採取する必要があるが、山野や荒れ地、市街地の空き地や造成地などの各地に雑草として自生しているので容易。
根を日干しにして乾燥させたものを商陸と呼び生薬として用いていた。
 
ヨウシュヤマゴボウの毒の成分は、硝酸カリ、キンナンコトキシンであり、植物全体に含まれるが、特に根と熟した実に多く含まれる。口にすると、じんましん、嘔吐、下痢などを引き起こし、重症になると脈拍が弱くなり、血圧が低下し、心臓麻痺を起こして死に至る。

毒性は低く、健康な若者であれば大量に摂取しない限り死亡することはない。
実を口に入れると、口の中が焼けつくような感じになるため、誤食の可能性は低い。ただし、5歳の子供が実でジュースを作って飲んだところ、30分もしないうちに激しい腹痛、嘔吐、下痢に見舞われ、全身に冷たい汗をかき、呼吸が荒くなり、脈が遅くなり、痙攣を繰り返して死亡したケースがある。

アンズ
アンズは、5~6mの木で、白や淡紅色の5弁の花を咲かせた後に橙黄色の実を作る、バラ科の果樹。
世界的に果樹園で栽培されているが、日本では甲信越と東北地方が主産地。園芸店や造園関係の店で苗木を入手できる。

生食のアンズの実から種子を取り出し、栽培する方法もある。乾燥させた種子を杏仁と呼び、鎮咳、去痰などに用いる。
 
アンズの毒の成分は、アミグダリン、遊離シアンであり、未熟な実や種子に含まれる。
遊離シアンの致死量は50mgだが、種子25~50gに相当する。アミグダリンは種子の3%に含まれる。アミグダリンを生のまま摂取すると、酵素の作用によって加水分解され青酸(シアン化水素)を生じる。

このため、口にすると、軽症の場合は頭のふらつき、嘔吐、瞳孔散大を引き起こし、重症の場合は意識障害、痙攣、呼吸障害を引き起こして死に至る。
女性が種子を20~40個食べ、中毒症状を起こしたが死には至らなかったケースがある。

ウメ
ウメは、高さ10mまで成長する木で、白や淡紅色、赤などの基本的に5弁の花を咲かせた後に黄緑色の実をつける、バラ科の果樹。実は、梅干し、煮梅、砂糖漬け、梅酒などに加工して食する。

園芸店や造園関係の店で苗木を入手できる。ウメの煎液には抗菌・抗真菌作用がある他、解熱、鎮咳、去痰などの効果もあるため、民間薬として様々な用途で用いられる。
 
ウメの毒の成分は、アミグダリン、遊離シアンであり、未熟な実(アオウメ)や種子、生の葉に含まれる。致死量や中毒症状はアンズの項目を参照すること。

マチン
3行の脈の入った葉を持つ、インド、東南アジア、オーストラリア北部の熱帯に自生する高木。
毒性の強さが有名で、植物毒の魔王とも呼ばれる。ガーデニング用として扱われておらず、国内に自生していないので、国内での入手はできない。
 
マチンの毒の成分は、ストリキニーネ、ブルシンであり、種子に含まれる。ストリキニーネの半数致死量は60mgで、種子に1~2%含まれる。無色無臭。口にすると、30分以内に中毒症状が始まり、五感が鋭敏になり、筋肉が硬直して嘔吐を起こす。

15~60分で弓なりの激しい痙攣を起こし、3~6時間で呼吸麻痺や循環障害によって死に至る。殺人事件でも度々用いられており、埼玉県愛犬家殺人事件で使用された。

 アセビ
アセビは、白またはピンク色のつぼ型の花をスズランのように咲かせる、ツツジ科の低木。宮城、山形以南の乾燥した山地に自生するほか、庭園や公園で栽培されている。園芸店や造園関係の店で苗木を入手できる。
過去にはトイレのウジ殺しに用いられ、現在もケジラミやカイセンの外用薬として用いられる。
アセビの毒の成分は、アセボトキシン、グラヤノトキシンⅢであり、葉や茎に含まれる。口にすると、腹痛、嘔吐、下痢、神経麻痺、呼吸麻痺などを引き起こし、死に至る。アセボトキシンは苦味が強く、誤食の可能性は低い。

トウゴマ
トウゴマは別名をヒマとも言い、ヤツデのような葉を持ち、ボンボンのような紅色の花を咲かせる一年草。種子からヒマシ油を取れるため、戦時中に燃料として栽培されたものが野生化したとされる。

園芸用として種子を入手するか、荒れ地や草原などから採取する必要がある。薬剤としての役目を終えた現代でも、化粧品、インク、塗料などに多用される。
 
トウゴマの毒の成分は、毒性タンパク質であるリシン、有毒アルカロイドであるリシニンであり、植物全体に含まれるが、特に種子が多く含む。リシンは世界三大毒の1つとして数えられている。種子を噛んだ場合、口の中が焼けるように熱くなり、舌に水膨れができ、喉の奥が腫れて気道閉塞になる。

飲み込んだ場合も、吐き気、腹部の痛み、血便などを引き起こす。大量に摂取した場合、意識混濁、腎不全、溶血を引き起こして死に至る。その他の中毒症状として、嘔吐、血圧降下、呼吸中枢の麻痺なども引き起こす。

リシンの成人に対する致死量は0.2~0.7mg、リシニンの成人に対する致死量は0.16gである。子供であれば1粒の種子で死亡すると言われている。

バイケイソウ
バイケイソウは、楕円形の大きな葉を持ち、多数の緑白色のウメに似た花を咲かせる、ユリ科の多年草。園芸植物ではないため、日本全土の日当たりのいい山地の沢沿いや湿地などに自生しているものを採取する必要がある。バイケイソウはシュロウ属の植物であるが、この種はいずれもアルカロイドを含み毒草である。
 
バイケイソウの毒の成分は、ジェルビン、ヴェラトラミンであり、植物全体に含まれるが、特に根茎や根が多く含む。口にすると、ひどい下痢、吐き気を引き起こし、重症の場合は、血圧降下、呼吸減少、手足のしびれ、痙攣、虚脱状態、意識不明などを引き起こして死に至る。

粘膜を強く刺激する作用を持つため、乾燥させた粉末を鼻から吸い込むと、くしゃみが止まらなくなるとされる。ジェルビンやヴェラトラミンは、熱を加えても毒素が消えない。

ストリキノス・トキシフェラ
ストリキノス・トキシフェラは、植物全体に細かい産毛が密生し、白く短いストローの先に花弁がついたような花を咲かせる、ツル性低木。ベネズエラのオリノコ河流域からギアナにかけて自生する。

コンドデンドロン・トメントスムとともに、矢毒の材料として使用される。ガーデニング用として扱われておらず、国内に自生していないので、国内での入手はできない。
 
ストリキノス・トキシフェラの毒の成分は、トキシフェリンなどであり、矢毒の製法から樹皮や根に含まれると思われる。筋肉を弛緩させる作用を持つが、後述するツボクラリンの研究が盛んであり、トキシフェリンの効果は不明。

コンドデンドロン・トメントスム
コンドデンドロン・トメントスムは、ハート型の葉を持ち、6枚の花弁を持つ白い花を咲かせた後にブドウのような紫色の実をつける、ツル性低木。ペルーやブラジルに自生する。
ストリキノス・トキシフェラとともに、矢毒の材料として使用される。ガーデニング用として扱われておらず、国内に自生していないので、国内での入手はできない。
 
コンドデンドロン・トメントスムの毒の成分は、ツボクラリンなどであり、矢毒の製法から樹皮や根に含まれると思われる。ツボクラリンを摂取すると、筋肉が弛緩し、意識が残った状態で呼吸麻痺によって死に至る。ツボクラリンの致死量は0.3~20mg。
ただし、血管から摂取した場合のみ中毒症状を引き起こし、経口で摂取した場合は無毒である。
 
同じ作用を持つ薬品に、塩化スキサメトニウムがあり、麻痺が終わると体内で急速に分解され、無毒なコハク酸とコリンに分解される。致死量は筋肉注射の場合20mg、静脈注射の場合10mg。

OIP (1)

マンドレーク
マンドレークは別名をマンドラゴラとも言い、根が人間の足のように真ん中あたりで裂けている、ナス科の多年草。ヨーロッパの地中海沿岸地方に自生する。その特徴から、様々な神話や伝説や信仰を持つ。ガーデニング用として扱われておらず、国内に自生していないので、国内での入手はできない。
 
マンドレークの毒の成分は、スコポラミン、アトロピン、ヒヨスチアミンであり、主に根に含まれる。スコポラミンは粘膜や皮膚を通して急速に吸収され、摂取すると、瞳孔散大、幻聴、頭痛、めまいを引き起こし、大量に摂取した場合は、意識喪失、呼吸困難などを引き起こして死に至る。

致死量は8~10mgと言われている。アトロピンも粘膜や皮膚を通して急速に吸収され、摂取すると、口の渇き、瞳孔散大、興奮、錯乱、幻覚、発熱、痙攣などを引き起こして死に至る。

致死量は100mg。ヒヨスチアミンを摂取すると、顔面潮紅、瞳孔散大、不安、躁狂性興奮、錯乱、幻覚、呼吸障害などを引き起こす。

コマクサ
コマクサは、粉白色をおびた葉を持ち、2枚の萼片と4枚の花弁を持つ馬顔型の紅紫色の花を咲かせる、5~10cmくらいの小型の植物。北海道から本州中北部の高山の砂礫に自生しているが、特別保護植物に指定されているため採取できない。園芸用として人工的に繁殖させた株が販売されていることがある。
 
コマクサの毒の成分は、ジセントリン、プロトピンなどであり、植物全体に含まれる。ジセントリンには、少量なら麻酔作用、中等量ならてんかん様痙攣、多量なら呼吸中枢や血管中枢の麻痺を引き起こす。口にすると、酒に酔ったように眠くなり、呼吸麻痺、心臓麻痺を引き起こして死に至る。

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毒キノコ
強い毒性を持つ毒キノコが日本に自生しているが、食用のキノコを毒キノコと間違えて誤食して中毒を起こす事件が多いように、毒キノコを食用のキノコと間違える可能性も大いにある。ここでは名前を挙げるにとどめる。

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ドクツルタケは、猛毒を持つテングタケ科の中でも特に毒性が高い。食後6~12時間でコレラ症状を引き起こし、腹痛、嘔吐、下痢の後、脱水症状、痙攣、昏睡状態におちいる。致命率は70%。

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コレラタケ
は、ドクツルタケと同じようにコレラ症状を引き起こし、致命率は50%。
ニセクロハツは、ドクツルタケと同じようにコレラ症状を引き起こし、食すると軽い嘔吐、下痢、言語不明、心臓衰弱、意識不明におちいる。致命率は50%。

サリン
イソプロピルジメチルスルホノフルオライド。
ジャガイモ害虫の殺虫剤をもとにナチス・ドイツが開発した有機リン系の神経ガス。生産コストに対して殺傷力が高く、貧者の核爆弾と呼ばれる。
 
経口や皮膚から吸収されると、数秒のうちに筋肉の弛緩に必要な酵素を破壊し、体中のあらゆる筋肉が痙攣し、吐き気、胸部の圧迫、嘔吐、腹痛、下痢などを起こす。瞳孔が縮小して目に痛みを感じるほか、よだれを流したり、呼吸困難や全身痙攣を起こす。

やがて、ひきつけから昏睡し、最後には死亡する。経口致死量は0.65mgで、皮膚から吸収した場合の致死量は約2mg。

ダイオキシン
フッ素を含有するジベンゾダイオキシン。除草剤の245Tに含まれており、ベトナム戦争でアメリカ軍が使用したエージェントオレンジに薬剤として使用されていた。
 
致死量は20万分の1mg。奇形、肝臓がん、神経障害、腎臓障害、目の病気を継代的に引き起こす。エージェントオレンジを浴びた約150万人のベトナム人のうち1/6が死亡し、奇形を誘発した。

また、化学工場の事故で空中にばらまかれた2kgのダイオキシンによって、4万頭の大型家畜が死亡した。解毒剤がなく、土中で分解されるまでに15年以上かかる。

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プロフィール
HN:
制裁代行人
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38
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性別:
男性
誕生日:
1987/03/15
職業:
復讐屋
自己紹介:
「別れた夫、妻に復讐をしたい!」「会社の上司を懲らしめたい!」「騙した相手に制裁を!」

「散々いじめてきた相手に懲らしめたい!」
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